みずほがひた隠す「大量職場放棄」
銀行史上に残る大汚点
2010年10月号
東急東横線と大井町線が交差する駅周辺を中心として洗練された町並みが四囲に広がる、東京・自由が丘(目黒区)。等々力、奥沢(いずれも世田谷区)といった高級住宅地にも近く、富裕層が比較的多く集まるとあって、メガバンクや信託銀行大手、果ては地元地銀や信金までが揃って軒を連ね顧客獲得にしのぎを削る、いわばリテールの主戦場の一つでもある。
そんな街を舞台にこの夏、日本の戦後金融史上、いや戦前を含めても「おそらく前代未聞のハズ」(地銀筋)という、驚天動地の椿事が起こった。みずほ銀行(BK)自由が丘支店の行員らによる「一斉職場放棄」事件―である。二十人前後にも及ぶ行員がある日、突然出勤してこなくなり、支店機能がほぼ全面的にマヒ状態に陥ったのだ。
仮に窓口が開けなくなり、預金の払い戻しや送金などの為替・決済業務が滞ることになれば、支店が大混乱をきたすばかりではない。周辺支店などにあっという間に風評が広がって、へたをすると大規模な取り付け騒ぎや金融システムの危機にまで発展する恐れさえなしとしない……。第一報を聞きつけたBK本部は「それこそ蜂の巣を・・・