日本をのみ込む韓国中小企業の躍進
国産化政策とウォン安を追い風に
2010年10月号
「これが彼らのやり方だ」
そう憤慨するのは、日本のある半導体装置メーカー幹部。同社が韓国サムスン電子への納入を目指し、数社によるコンペに参加した際、最終の一社まで残ったことで採用が決まったものと喜んでいたところ、突然、サムスン側から「この技術は内製化のめどがたった」との理由で、一方的に交渉を打ち切られてしまったというのだ。
「彼らは社内に自前で開発部隊を擁し、納入コンペと称して日本の装置・材料メーカーに散々データを出させる。結局技術だけ吸い取られた末、いずれ彼らが内製化するか、息のかかった下請けに技術を流して作らせるので、たとえ一度納入できても、二度目の受注はない」(別の装置メーカー幹部)
今、このような形で日本の半導体・液晶産業を支える部品・材料メーカーの中で、韓国での受注を減らす場面が増えている。それとは対照的に近年、韓国の中小企業の成長が著しい。日本企業が失った受注と技術は、そのほとんどが韓国の中小企業に流れているのだ。
日本の電機産業を置き去りにし、グローバル市場を席巻するサムスン電子、LGエレクトロニクスら韓国勢の躍進はいま・・・