「民間軍事会社」への依存深める米軍
いまや軍産複合体の中核に
2010年10月号
オバマ政権が民間軍事会社への依存を強めている。アフガニスタンやイラクでは軍事会社なしでの作戦遂行は不可能な状況で、秘密工作関与も増えた。数十兆円規模に膨れ上がった軍事会社は、「軍産複合体」の新たな担い手として、米政府の安全保障政策まで左右している。
今夏、アメリカのABCニュース調査報道班に、内部告発が寄せられた。「ミッション・エッセンシャル・パーソナル(MEP)」という通訳提供会社で働いていたという男性は、ミ社が、米軍同行の「通訳」の語学力を、組織的に偽っていたと告発した。
「四分の一は、言葉ができないニセ通訳だ」と、告発者。調査班は過去のビデオから、こんなシーンを発掘した。
米兵「(通訳に)このアフガニスタン人の長老に治安状況を聞いてくれ」
長老「(パシュトーン語で)タリバンが迫っている。あなたがたに協力してほしい」
通訳「(英語で)この長老は、『ここ数年、タリバンを見たことがない』と言っている」
米兵「何をバカな? 一週間前、砲撃があったじゃないか?」
通訳「長老は『見ていない』そうだ」{b・・・