Book Reviewing Globe316
「象」と「龍」の挑戦
2010年9月号
The Elephant and the Dragon The Rise of India and China and What It Means for All of Us RobynMeredith W.W.Norton & Company 2007 $25.95
二十一世紀はアジアの世紀、とりわけ中国とインドの世紀になるだろうと言われる。
実際、この十年の両国の経済の成長と発展はすさまじい。中国はハードウェア、インドはソフトウェアを得意分野とするが、中国のR&Dの進展とインドの鉄工業の躍進も目覚ましい。中国とインドが、毎年、社会に送りだす新規従業員の数はすでに米国と欧州の合計よりも多い。両国ともフルセットの経済大国にのし上がっていくことは間違いない。インドのマンモハン・シン首相は二〇〇六年の段階で、「両国とも、世界経済においてそれにふさわしい地位に向かいつつあるのだ」と述べたことがある。アンガス・マディソンの有名な研究によれば、一八二〇年の時点でもなお、中国とインドのGDPは世界全体の五〇%近くを占めていた。この巨大な「象」・・・
二十一世紀はアジアの世紀、とりわけ中国とインドの世紀になるだろうと言われる。
実際、この十年の両国の経済の成長と発展はすさまじい。中国はハードウェア、インドはソフトウェアを得意分野とするが、中国のR&Dの進展とインドの鉄工業の躍進も目覚ましい。中国とインドが、毎年、社会に送りだす新規従業員の数はすでに米国と欧州の合計よりも多い。両国ともフルセットの経済大国にのし上がっていくことは間違いない。インドのマンモハン・シン首相は二〇〇六年の段階で、「両国とも、世界経済においてそれにふさわしい地位に向かいつつあるのだ」と述べたことがある。アンガス・マディソンの有名な研究によれば、一八二〇年の時点でもなお、中国とインドのGDPは世界全体の五〇%近くを占めていた。この巨大な「象」・・・