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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》児童相談所

虐待死防げぬ「社会の暗部」

2010年9月号

「子殺し」が止まらない。ひとつ屋根の下に暮らす保護者からの、ありとあらゆる「暴力」で、子供たちが淡々と死んでいく。
 特に悲惨な事件は大きく報道される。七月末に発覚した大阪の「二児置き去り事件」のように、直接手を下した者だけでなく、親族のプライバシーまで暴く熱心さだ。
 その際に必ず出るのは、「児童相談所(児相)はなにをしていた」という批判である。
 続いて、児童が収容される「一時保護所」や「児童養護施設」の体制がクローズアップされる。どこも人員が足りず、「職員は大変だ」という類の特集記事が組まれることも多い。
 最後には、このままでは子供は救えない、なんとかせねばという結論になる。
 こうしたことが延々と繰り返されている。児相や養護施設は、社会の「暗部」である。日頃はあたかも存在しないかのように「無視」しておきながら、犠牲者が出たときだけ「綺麗ごと」を並べ立てて悦に入っているだけなのだ。
 現在の体制の真の問題点を知らずに、何をどう改善できるのか。

信じられない「福祉司」の正体

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