相撲協会の「改革」など不可能
外部の常識など通じない世界
2010年9月号
日本相撲協会を巡る騒動は収まりがつかない。公益法人としての利益を享受しながら、体質を改めようともしない協会に問題があるのは言うまでもない。しかし、「力士」という極めて特殊な人間の集まりに、世間一般の常識を当てはめる、文部科学省やマスコミ報道も「見当違い」だろう。
「辞めるつもりはあったのか」
八月二十三日、東京・両国国技館で開かれた臨時年寄総会での一コマだ。発言をしたのは守旧派といわれる出羽海一門の親方で、相手は史上二番目の若さで審判部長に就任した貴乃花親方だった。
この直後に行われた、全親方と力士、行司、床山ら約二百五十人が出席した意見交換会の場について、「力士の発言がほとんどなかった」と報道されたのとは対照的に、臨時年寄総会はヒートアップした。飛び出したのは「改革派」といわれる貴乃花を糾弾する声ばかり。「琴光喜問題」で貴乃花親方が提出し受理されなかった退職届について「パフォーマンスにしか見えない」とまでこき下ろした。角界再生どころか、内紛から抜け出せない現状が浮き彫りとなった。
暴力団問題は「底なし」
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