《企業研究》住友信託銀行
「第4のメガバンク」へダッシュ
2010年9月号
総資金量約六十兆円。三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)に次ぐ国内第四位のメガバンクグループの誕生である。来年四月に持ち株会社を設立し、二年後には中央三井信託および中央三井アセット信託との三社合併を果たす。受託信託残高が多いほど利益が増える信託業にあって、ここ数年徹底して量的拡大を追い求めてきた住友信託銀行だが、これが一つの到達点といえよう。去る八月二十四日には、統合比率や統合後の首脳人事などを発表した。
しかし両行の経営統合は二〇〇四年以来の懸案。長すぎた春がやっと実を結んだだけで、決してビッグニュースではない。そもそも住信―中央三井の合併話は、UFJ信託銀行を住信に売却する交渉が白紙撤回され、三菱信託銀行がUFJ信託との合併で業界トップの地位を不動のものにしたことで浮上した。合併後三年しか経過していない中央三井に住信が猛烈なアタックをかけたのである。
〇四年に合併協議が一旦決裂して以来、ノンバンク買収などに走った住友信託の経営多角化策に懐疑的だった中央三井は「経営路線が相容れない」として住信が送る秋波に乗ることはなかった。しかし、二千億円の公的・・・