自民党はまるで「昔の民主党」に
谷垣の罪は重い
2010年9月号
八月八日は自民党にとって二つの「記念日」だ。一つは二〇〇五年、「自民党をぶっ壊す」と宣言して登場した小泉純一郎が郵政解散に踏み切った日。そして今年、自民党の野党転落から三百二十七日目となり、一九九三年に発足した非自民連立政権から政権を取り戻すまでの三百二十六日を超えた。
これと前後して、自民党は新たなアイデンティティを確立しようともがいた。しかし、その萌芽はみられるものの、浮ついた「第二民主党」に成り果てる危うさも秘めている。伝統ある保守政党はどこへ向かうのか。
「野党としての甘え」
「派閥の論理や密室の談合でリーダーを選んだら、参院議員会長に輿石東を再選させた民主党と同じになりますよ」
八月初旬、真新しい参院議員会館で自民党参院議員、山本一太と世耕弘成が自民党議員の部屋を歩き回り、元外相、中曽根弘文への支持を訴えていた。「政局」の臭いをかぎつけると必ず「世代交代」を掲げて長老に盾突くこのコンビは本来鼻つまみ者だが、不思議なことに多くの自民党議員が自室へ迎え入れた。{b・・・