「グリーン・ニューディール」も失敗くっきり
ここにもオバマのお粗末
2010年9月号
世界の表舞台にさっそうと登場した米オバマ大統領のメッキが剥がれ始めて久しい。当選直後の二〇〇八年十一月に、景気回復と地球環境保護、脱・中東石油を同時に達成する魔法のような政策として打ち出した「グリーン・ニューディール」も例外ではない。風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーの「経済効果」は一向に上がらず、多くのエネルギー専門家が指摘した通り、こけおどしで終わる流れが明確になってきたからだ。
メキシコ湾原油流出事故への対応の遅れと生ぬるさに国民の批判が高まるなか、十一月の中間選挙でオバマ大統領は鼎の軽重を問われるだろう。自信たっぷりに打ち出したエネルギー政策が、皮肉なことに政権の命取りとなる可能性も出てきている。
「実益」をもたらさない
グリーン・ニューディールはそもそも何を謳っていたのか。簡単に振り返ると、?再生可能エネルギーの開発に〇九年から十年間にわたって一千五百億ドルを投資し、五百万人の雇用を創出する、?再生可能エネルギーの発電割合を一二年までに一〇%、二五年までに二・・・