米「ユダヤ・ロビー」に異変
保守派が神経尖らす「新興団体」
2010年9月号
米政界に多大な影響力を持つイスラエル・ロビーの間で「地殻変動」が起きている。イスラエルの方針を盲目的に支持し、その利益を害する議員や政策の阻止に奔走するのが従来のイメージだが、公然とイスラエル批判を展開する新興ロビー団体が登場して存在感を高めているのだ。親イスラエルの立場を強調しながら偏重の修正を図るオバマ米大統領の「映し鏡」のようで、イスラエルは過敏に反応している。
この新興団体は「Jストリート」。事務所を置くワシントンで、通り名にアルファベットが使われていることにちなんで名づけられた。しかし、実際にはJストリートなる通りは存在しない。Iストリートの次はKストリートに飛んでいる。あえて「欠番」を冠して、新しさを打ち出した形だ。
Jストリートは二〇〇八年四月、クリントン政権の外交顧問を務めたジェレミー・ベンアミ氏らが結成した。基本は、リベラル系のユダヤ人団体で「親イスラエル」を掲げるが、メンバーにはアラブ系やイスラム教徒もいる。ベンアミ氏は「非ユダヤ系も大歓迎」と公言して、はばからない。
オバマ色を帯びた団体
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