《世界のキーパーソン》イーゴリ・セーチン(ロシア副首相)
プーチンの「裏側」を支える忠臣
2010年8月号
丸刈りにギロっと光る小さな目。深海魚を思わせる風貌で、ロシアの権力回廊を悠然と泳いできた。滅多にマスコミと話さず、過去の経歴は謎だらけ。ロシアの世論調査で、国民の七五%が「知らない」というこの人物が、ロシアの「第三の男」である。
クレムリンの奥深くに潜んでいたのが、最初に注目されたのは、石油大手「ユコス」社事件(二〇〇三年)だ。検察、税務、捜査、諜報など、ロシアの権力執行機関が一丸となって、ミハイル・ホドルコフスキー社長を破滅させた大捕り物を指揮したのが、プーチン大統領の下で大統領府副長官だったセーチンだ。「あいつが私をはめた」と、ホドルコフスキーは後に語る。翌年、副長官職に留まったまま、国営石油企業「ロスネフチ」の会長になり、この会社がユコス資産の大半をのみ込んだ。これ以後、「シロビキ(権力執行機関出身者)の総帥」「プーチンの番頭」など、様々に形容されてきた。
一九六〇年生まれ。プーチンと八年違いの同郷(レニングラード=現サンクトペテルブルク)、同窓(レニングラード大)である。ポルトガル語、フランス語を学び、表向きはソ連軍の「通訳」として、東西冷戦の最前線だ・・・
クレムリンの奥深くに潜んでいたのが、最初に注目されたのは、石油大手「ユコス」社事件(二〇〇三年)だ。検察、税務、捜査、諜報など、ロシアの権力執行機関が一丸となって、ミハイル・ホドルコフスキー社長を破滅させた大捕り物を指揮したのが、プーチン大統領の下で大統領府副長官だったセーチンだ。「あいつが私をはめた」と、ホドルコフスキーは後に語る。翌年、副長官職に留まったまま、国営石油企業「ロスネフチ」の会長になり、この会社がユコス資産の大半をのみ込んだ。これ以後、「シロビキ(権力執行機関出身者)の総帥」「プーチンの番頭」など、様々に形容されてきた。
一九六〇年生まれ。プーチンと八年違いの同郷(レニングラード=現サンクトペテルブルク)、同窓(レニングラード大)である。ポルトガル語、フランス語を学び、表向きはソ連軍の「通訳」として、東西冷戦の最前線だ・・・