ＮＴＴドコモが反撃ののろしを上げた。アップルのｉＰｈｏｎｅ人気で独走するソフトバンクに、ＳＩＭロック解除という刃をつきつけたのだ。監督官庁である総務省と完全に手を握った今回の狙いは、携帯電話業界内のつばぜり合いのためだけではない。その背後には、ＮＴＴ組織見直し論議が佳境を迎える中で、異端児だったドコモがＮＴＴグループの司令塔にのし上がろうとする深謀遠慮がある。
「来年春の携帯電話新機種から、原則全機種にＳＩＭロックを解除できる機能を搭載する」
　ＮＴＴドコモの山田隆持社長の突然のＳＩＭロック解除発言は、七月六日、一斉に各メディアが報じた。

東西地域会社の統合も視野に

　関係者によれば、ドコモは毎年、株主総会後に報道各社の社長インタビューを一斉に受け付ける。解除発言の六日も同様で、新聞、テレビ、通信各社のインタビューが順番に設定されていた。山田発言は、ＳＩＭロック解除へ積極的な姿勢を見せるため周到に準備されていたと見るのが自然だ。ドコモはこうした総務省の政策に乗る形で、携帯電・・・