「年俸八億九千万円」ゴーンの評判
日産・ルノーを辞めるつもりか?
2010年8月号
カルロス・ゴーン日産自動車社長の高額報酬が波紋を広げている。株主からは「二〇一〇年三月期に支払われた役員報酬の算定材料となる〇九年三月期決算は最終赤字。それでなぜ国内最高級の報酬になるのか」と猛反発され、菅直人首相からも「日産の回復は(従業員や系列企業に痛みを強いた)リストラの結果ではないか」と噛みつかれた。いかにも「無理筋」の巨額報酬だが、実はそこにゴーン社長の今後の去就を占う「材料」があるという。
「優秀な人材」と自画自賛!?
「私たちの報酬が多いか少ないかをコメントすることはできない。事実を公表するだけだ」。六月二十三日に開いた株主総会直後の記者会見で、ゴーン社長は緊張した表情を浮かべながら答えた。取材した全国紙の経済記者は「答弁にいつものキレがない。事前に用意したと思われる高額報酬についての説明も、簡単に論駁されるような低レベルの内容だった」と首をかしげる。
日産がゴーン社長に支払った総額八億九千万円もの高額報酬については、「日産の経営陣はグローバルで、一般の日本企業とは違・・・