「小沢神話」にようやく陰り
「菅再選」の趨勢に打つ手なし
2010年8月号
「菅直人首相に代わったばかりで(いま)降ろすという話にはならない。首をすげ替えて済む話ではない」
七月二十二日午前、前首相鳩山由紀夫は日本BS放送の番組収録でこう述べ、首相菅直人の続投を支持する考えを表明した。この鳩山発言によって民主党の代表選は早くも事実上の終了ホイッスルが鳴ったようだ。
鳩山はこの中で挙党体制の構築の必要性に言及した。菅に対して前幹事長小沢一郎の処遇を求めたものと受け取られた。鳩山は「私が二人の間を取り持たなければいけない」と仲介役にも意欲を示した。
事実、鳩山は同日夜、ホテルニューオータニ内の日本料理屋「なだ万」で小沢、そして参院選で勝ち残り参院議員会長に四選された輿石東と今後の政権運営をめぐって意見交換した。
この三人はつい二カ月前には鳩山退陣をめぐるシナリオを描いた当事者である。その三人が舌の根の乾かぬうちに、政権運営について話し合う。これほど国民有権者を愚弄した光景はない。
菅政権発足直後の「V字回復」は、「政治とカネ」の問題で国民世論の支持を失った「小鳩体制」の終焉を世論が歓迎したからにほか・・・