深まる民主党の「労組依存」
発言力増す日教組と自治労
2010年8月号
「いったい、どないなってんねん」
参院選で民主党が大敗を喫してから一週間も経っていない七月十六日の昼下がり。新装なったばかりの広々とした参議院議員会館の一室で、携帯電話を手にした民主党副代表、石井一の野太い怒声がひびいた。
電話の相手は、民主党の若手参院議員。任期満了に伴う参院議員会長選を前に、党内結束を大義名分として輿石東の四選を支持する署名を迫られ、応じてしまったと告げられたのだ。しかも署名者は、すでに民主党参院議員百六人の過半数を超えているという。
労組系議員は六十人以上に
署名運動の首謀者は、自治労出身の前参院幹事長、高嶋良充だった。高嶋と日教組出身の輿石は、二人羽織と揶揄されるほど仲が良く、東京・跫町の参院議員宿舎近くの小料理屋で酒を酌み交わしてきた。引退間近の高嶋は、自民新人に肉薄された輿石の当選直後から「議員会長四選」に向け動き始めた。
与党の参院議員会長は、小泉政権全盛期の青木幹雄がそうだったように、参院枠の閣僚、委員長ポストの配分ばかりでな・・・