欧州で市民権得た「同性愛」
大物公職者も次々と告白
2010年8月号
タブーにされてきた同性愛などの公認を求める運動がヨーロッパで広がっている。LGBTと総称されるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル(両性愛)、トランスジェンダー(性別違和)を自認する人たちが公然と語り始めた。彼らのカミング・アウト(告白)は欧州の政・官界でも常態化している。性同一性障害に対する人権尊重の世論形成には率先して欧州連合(EU)が取り組み、次の一手を思案中だ。
独仏の首都の市長も
ポーランドの首都ワルシャワで七月十七日、同性愛者組織ユーロプライド(EuroPride)の集会が開かれた。旧共産圏では初の開催。敬虔なカトリック教徒の多いこの国で、ゲイの公然化活動には眉をしかめる人が少なくない。数千人が集まった会場やパレードに生卵を投げつける市民もいた。
行進の列には、英与党・保守党の警察庁長官(閣外大臣)の男性、ニック・ハーバート下院議員の姿も見られた。「平等、人権尊重がEUの根本精神。LGBTの人々が権利同等になるために、英連立与党は野心的計画を用意している」。BBC放送記・・・