「高笑い」止まらぬゴールドマン
時の政権と常に密着
2010年8月号
ゴールドマン・サックス(GS)の二〇一〇年第2四半期の利益が、前年同期比で八二%落ち込んだ。株式のトレーディング収入や社債引受業務の落ち込みなどが収益悪化の要因だ。
これについて「ウォールストリート・ジャーナル」(七月二十日付)は「鎧に少し隙間ができた」と分析したが、それでも同社は「最も明るく輝くバルブ(電球)である」と、金融業界での揺るがぬ地位を保っていると指摘している。
かねてから、政権と壓がり、「政商」とまで呼ばれるGSは、オバマ政権誕生以降も政府への関与を積極的に行っている。その恩恵に与るかのように、同社に不都合な法案は修正され、不透明な取引も実質「お咎めなし」になるのだ。
先日成立した金融規制改革法の最大の柱のひとつは、銀行の投資銀行業務を規制する「ボルカー・ルール」である。同ルールが当初案通りに実施されれば、GS最大の収益源である自己勘定取引は規制され、さらにヘッジファンドとプライベート・イクイティ・ファンドから撤退を余儀なくされる。JPモルガンの試算では、一一年に大手銀行全体で百三十億ドルの収入減が予想され、そのうちGSは四十七・・・