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中国の手に墜ち行く「日韓台」

日米同盟「退化」の罪と罰

2010年8月号特別リポート

 十一月二十八日の沖縄県知事選まで待ってほしい、と日本側は言い、米国はすんなり認めたなどという上っ面の解釈でいいのだろうか。鳩山由紀夫、菅直人両首相が犯した沖縄普天間飛行場移設問題の日米間約束違反は戦後の日米関係史に深い汚点を残した。傍ら、かつて「中国海軍の父」と称された劉華清が唱えた第一列島線、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオに日本本州、韓国を加えたラインを護持するか、奪取されるかで米中両国は熾烈な外交戦を展開しているのだ。
 去る七月二十五日から二十八日までの四日間日本海上で実施された米空母を含む米韓両国の軍事演習は、北朝鮮ならびにその背後にいる中国に対する確固たる政治的意思の表明である。中国と台湾の経済面での異常接近は主権問題と完全に切り離せるのか。第一列島線が揺らがないか。東アジアの緊張などどこ吹く風の民主党指導者は口先だけで「日米関係の深化」を言い、日本の国際的危機がわかっていない。

表裏で丁々発止の米中外交


 まず米中関係の現状を説明しなければならない。米政府の一貫した対中・・・