動き出すノンバンク大再編
メガ主導の整理統合策が次々浮上
2010年7月号
メガバンクが近年、積極化させてきたリテール(小口金融)分野のコングロマリット戦略が完全に曲がり角に突き当たった。六月十八日に実施された改正貸金業法の完全施行はその象徴的な出来事だ。今後、メガバンクの間で軌道修正が本格化する。傘下に収めた消費者金融事業からの事実上の撤退もさることながら、信販・クレジットカード業界もメガバンク主導という形で整理・統合の大再編局面を迎えることも間違いない。
三菱と三井住友が再編競争
五月下旬のことだ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の役員人事を巡って、同グループ傘下のクレジットカード会社に激震が走った。その人事とは三菱東京UFJ銀行常務、和田哲哉氏の三菱UFJニコスへの転出だ。同氏は、前職のリテール担当の役員時代、グループ内における信販・クレジットカード会社の再編成を断行。そのときの豪腕ぶりは傘下の子会社に恐怖心を植えつけた。当然ながら、同氏が副社長となって舞い降りてくる三菱UFJニコスはざわついた。
「厳しいリストラになる」
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