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経済

三井住友が「りそな買収」に本腰

不可解な「発行株数倍増」の真意

2010年7月号

 東京・紀尾井町のグランドプリンスホテル赤坂で六月二十九日午前十時から開催された三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の定時株主総会。経営側が提出した「その議案」は、株主側からさしたる異議が上がることもなく、淡々と可決・承認された。第二号議案―定款一部変更の件。この瞬間、SMFGが定款に定めている普通株発行枠は、それまでの十五億株から一気に三十億株へと倍増する形になったのである。
 二〇一〇年三月期。SMFGは市場関係者らの希薄化懸念をヨソに、二度にわたる大型公募増資を断行した。国内外のマーケットから〇九年七月に八千六百十億円を調達したのに続き、今年二月には一兆円の大台に迫る九千七百三十億円もの資金を調達、総計一兆八千三百四十億円にのぼる巨額マネーを掻き集めたのだ。この間、新たに発行した株式数はおよそ六億二千五百万株。その結果、期末の発行済み総株式数は十四億一千四百五万株余にまで膨れ上がり、発行枠が底を突きかねない状態となっていた。定款一部変更は、こうした逼迫感を解消して資本政策の機動性を回復させるのが、当面の狙いとされている。
 が、それにしても一挙に発・・・