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経済

トヨタ「ハイブリッド」の危うさ

これから米国で「真価」が問われる

2010年7月号

 六月二十五日、またしてもトヨタ自動車でハイブリッド車(HV)のリコール(回収・無償修理)騒動が米国で浮上した。対象は「レクサスHS250h」(二〇一〇年型)の約一万七千台。米当局による衝突試験で基準値を上回るガソリン漏れが見つかったためだ。
 トヨタ自動車の環境対策の要となっているハイブリッド車に「イエローカード」が突きつけられている。米下院の公聴会では、HVなどの電子制御システムで誤動作が疑われ、トヨタは「システムに問題はない」と主張。議論は平行線のまま、泥沼化している。
「なぜ問題がないと断言できるのか?」。二〇一〇年五月二十日、米下院エネルギー・商業委員会は、「民間調査会社が一万一千時間を超える実証試験を実施したが、欠陥は見つからなかった。(急加速事故に関して)電子制御システムに問題はない」と答弁した、米国トヨタ自動車販売のジム・レンツ社長にかみついた。さらに議会側は、トヨタがこの調査会社に多額のコンサルタント料を支払っているとして、調査の中立性に問題があるとねじこんだ。
 公聴会に先立つ同十四日には、ワシントン・ポスト電子版が「トヨタはデー・・・