《政界スキャン》
菅は大丈夫か
2010年7月号
首相が代わるたびに、リーダーシップとは何か、が議論される。なぜかと言えば、新首相がリーダーにふさわしいかどうかが不安だからだ。
今回のように、鳩山由紀夫前首相への幻滅感が強い時はなおさらで、後継の菅直人新首相は民主党の結党以来、「鳩菅コンビ」と言われ、行動をともにしてきただけに、不安の度合いも大きい。とはいえ、二人は別人格であり、このポストばかりは座らせてみないと適・不適がわからないのも確かである。
また、時代を超え、あるいは万国共通の「理想的なリーダー像」というのもない。時代と国柄に応じて、求められるリーダーも当然変わっていく。かつて麻生太郎元首相が、祖父であり戦後最高の評価を受けてきた宰相、吉田茂について、
「祖父がいまの世に生きていたら、とても首相は務まらない。敗戦後のあの時期だからよかったんだ」
と言ったことがある。そうかもしれない。
ところで、佐藤政権末期の一九七一年ごろ、国民的作家の司馬遼太郎が、次のようなリーダー論を語ったことがあった。
「衣食足りた時代の日・・・