みずほ三会長退陣のカラクリ
「院政」から「陰政」に変わるだけ
2010年6月号
院政から“陰政”に変わるだけではないか―との不信と不審がグループ内に渦巻いている。
五月十四日、退陣が発表されたみずほフィナンシャルグループ(FG)の三巨頭。前田晃伸FG会長、齋藤宏みずほコーポレート銀行(CB)会長と杉山清次みずほ銀行(BK)会長が、六月二十二日付で会長職を退き、揃ってFG特別顧問に就任する。これでみずほ発足以来、その経営を恣にしてきた前田会長らの権力基盤は消滅、実権は名実ともに塚本隆史FG社長、佐藤康博CB頭取、西堀利BK頭取の現三トップに移るかに見えるが、さにあらず。「即断は禁物」(CB幹部)というわけだ。
子飼いを使って権力温存
“陰政”疑惑を払拭し難い最大の理由として、グループ関係者らが指摘するのは、前三トップに阿諛追従し、その意を忖度してひたすら忠勤の限りを尽くしてきたとされる三人の子飼い役員が、それぞれ重要ポストに配されたまま、なお経営陣の一角にとどまるためだ。いずれも常務執行役員となっている永井幹人、岡・・・