官邸に巣食う「三人のA級戦犯」
鳩山を守れない秘書官たち
2010年6月号
「いったい『五階』が何をしたいのか、さっぱり分からない」
迷走を続けた米軍普天間飛行場移設に関わった外務省や防衛省の幹部がここ半年間、呪文のように繰り返した台詞だ。五階とは鳩山由紀夫の執務室がある総理官邸五階のことである。官僚たちは、首相だけを揶揄しているのではない。同じフロアに部屋を構えている官房長官、首相秘書官、官房副長官を含めた官邸全体への嘲笑だ。
「外交専門家」佐野の無能
この五階を実質的に取り仕切り、「鳩山政権を迷走させた三人のA級戦犯」と呼ばれる人物がいる。その筆頭にあげられているのが、政務担当首相秘書官の佐野忠克だ。
政務秘書官には、小泉政権下での飯島勲のように若いころから政治家と二人三脚で行動をともにし、汚れ役もいとわない古参秘書が就くのが常だった。
鳩山にはそれができなかった。首相就任前、死んだ人間が個人献金していた偽装献金事件が発覚。長年にわたって鳩山に忠節を尽くしてきた元政策秘書、芳賀大輔が渦中の人となったため起用することができなくなっ・・・