世界のセレブ向けリゾートの「可能性」
「観光立国」への起爆剤にも
2010年5月号
世界に誇れる多様で豊かな自然や伝統文化を持ちながら、「観光立国」の掛け声虚しく来日外国人観光客の数は伸び悩んでいる。
そうした中、世界の富裕層、つまり「本物のセレブ」を呼び込む、ラグジュアリー・リゾートの持つ魅力に注目が集まっている。それは「観光立国」の起爆剤のひとつとなりうる可能性を秘めている。
先日、石川県金沢市で開かれた国際会議に出席した、ホルスト・シュルツ氏はこう語った。
「日本には、世界のセレブたちが求める安全と安心、清潔さ、高い食文化、そしてなにより、もてなしの心が息づいている」
同氏は、旧リッツ・カールトンの創業者の一人で、「伝説のホテリエ」とも称される。世界最高のサービスマニュアルといわれる「クレド」を作った人物の発言に、集まった旅行業界関係者は耳を傾けた。同氏はこう続けた。
「日本は、五つ星の上をゆくラグジュアリー・リゾートを作る場として大変な可能性を秘めている」
同氏は、二〇〇五年に「リッツの上を行くサービス」を目指し「カペラ・ホテルズ&リゾーツ」を立ち上げ、世界十カ所で展開している。{br・・・