「地盤沈下」止まらぬ日本の証券市場
アジアの地方取引所に成り下がる
2010年5月号
第一生命の上場で一時の明るさを取り戻したかに見える日本の証券市場だが、その裏で急速に地盤沈下が進行している。すでに時価総額と売買代金において、東京証券取引所は中国の上海証券取引所に追い抜かれて世界第四位(一位、二位はNASDAQ、ニューヨーク証券取引所)に後退した。中国の証券市場は信用取引制度、先物取引の導入を立て続けに行い市場活性化をスピードアップさせている。
当然、IPO(新規株式公開)の勢いも違う。二〇〇九年末に東証の上場企業は二千三百三十四社だったがIPOしたのは年間で七社。これに対して香港は一千三百社で六十六社、上海は八百七十社で九社、深センは八百三十社で九十社に達する。この数字、上海取引所は政府系金融機関などの大型上場が続いたほか、市場の混乱を避けるために意図的にブレーキをかけたうえでのものだ。中国三取引所の上場企業を合計すると三千社に達し、東証を大きく上回る。さらに、シンガポール取引所は四百五十九社に対して二十二社、韓国取引所は一千七百七十八社に対して三十六社と、他のアジア取引所の追い上げも凄まじい。
国力、経済成長の違いと言ってしまえばそ・・・