米「トヨタ制裁」本番はこれから
何もわかっていない章男社長
2010年5月号
トヨタ自動車の「ドル箱」である米国市場で、再び危機が迫っている。しかもその火種となるのは、「すでにヤマを越えた」(トヨタ幹部)はずの品質問題だ。国内報道では「過去の話」になりつつあるトヨタ車の品質問題だが、米国では過去最高の制裁金や名指しの欠陥車報道といった官民一体の「トヨタ攻撃」が続いている。ところが米国で執拗ともいえるバッシングを受けながら、トヨタ本社の危機感は乏しい。「これ以上、騒動は広がらない」との見方がもっぱらだという。しかし、トヨタ攻撃の手は一向に緩む気配が見えない。トヨタの「正念場」はこれからだ。
最新車種にも「ミソ」がついた
「今度こそケリがついた」と、トヨタ関係者は表情を緩ませる。大量リコール(無料の回収・修理)に絡みトヨタは四月十九日、一千六百三十七万五千ドル(約十五億円)に及ぶ制裁金の支払いに応じた。自動車メーカーが支払った制裁金としては過去最高額という不名誉な記録となった。今回、支払いを決めた制裁金は現行法で定める最高額であり、前出のトヨタ関係者は「これで米政府の顔も立・・・