オバマ「金融規制改革」の衝撃
ウォール街への「徹底討伐」が始まる
2010年5月号
「医療制度改革でうまくいったので、やはりオバマは次の手を打ってきたな……」
これはあるヘッジファンドの大手オーナーの語った言葉。米証券取引委員会(SEC)が米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)を証券詐欺罪で起訴したというニュースを受けて、筆者に述べた。もともとSECは「きちんと活動していない」と評判のよくなかった連邦政府機関。一昨年のバーナード・メドフの「ねずみ講事件」では何回も内部告発がありながら徹底した調査を行わなかった。
だが今回は違った。メアリー・シャピロSEC委員長はロバート・クザミ氏を顧問に雇い、四月十六日にGS起訴に漕ぎ着けた。クザミ氏はドイチェバンクの最高法律顧問を務め、サブプライムローンを裏付けとする債務担保証券(CDO)の仕組みに詳しい。今回、起訴の対象となったのは「ABACUS 2007-ACI」と呼ばれるCDOの販売に関してだ。
「五月末に成立」との見通しも
これは大手ヘッジファンドのポールソン・アンド・カンパニー・・・