「全共闘宰相」への野望抱く仙谷由人
「小沢を更迭」した上で
2010年5月号
春なのに肌寒い日が続いた四月上旬の東京・隅田川。行き交う花見の屋形船の中に、番記者や官僚に囲まれ、喜色満面の国家戦略担当相、仙谷由人の姿があった。
仙谷は閣内で孤立していた。中小金融機関に与える影響を危惧し、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を二千万円に引き上げようとした亀井静香金融・郵政改革担当相に待ったをかけようとしたが果たせなかった。首相の鳩山由紀夫が、亀井に軍配を上げたのだ。仙谷の面目は丸つぶれで、しばらくは「夜の会合でもムスっとして近寄りがたい雰囲気だった」(周辺)という。
ところが、この夜の仙谷は違った。屋形船が貸し切りだったこともあり、終始リラックスモード。女性記者にピタリと寄り添ってカラオケで「銀座の恋の物語」をデュエット。この日を境に大胆な発言を繰り返すようになる。
四月十二日には民主党政権に批判的な報道を続けている産経新聞のインタビューに応じて消費税率アップに積極的な姿勢を明言。翌日の記者会見でも次期衆院選が任期満了前に実施される場合、消費税率アップを掲げて選挙戦に臨むべきだとぶちあげた。これには首相も「私が事前に了解した話では・・・