《政界スキャン》
鳩山発言はぶれているか
2010年5月号
首相の発言がこれほど批判ややゆの対象にされるのはまれである。森喜朗元首相の「神の国」発言、小泉純一郎元首相の「人生いろいろ」発言などが最近では記憶に残るが、いずれも単発だった。
しかし、鳩山由紀夫首相の場合は政権発足から日が浅いのに、
「軽い」
あるいは
「ぶれる」
と慢性的にやり玉にあがり、批判は外国メディアにまで及んでいる。しかしよくよく吟味すると、批判する側にも一種の思い込みがあることがわかる。細かく検証してみる必要がありそうだ。
昨年末の段階で、鳩山政権はすでに政権を取り巻く3K(経済、基地、献金)の難問が指摘されていた。支持率低下に最初につながったのは、3Kのうちの献金問題、つまり母親から多額の政治献金を受けていたにもかかわらず、鳩山首相が、国会答弁などで、
「知らなかった」
と言い続けたことだった。しかし、世間は、そんなはずはない、ウソをついている、と冷笑的に反発し、鳩山発言不信に火をつけることになった。十二億円余の巨額献金を知らなかったと・・・