生き残るのは鳩山か小沢か
「ワンセット退陣」圧力は沸点だが
2010年5月号
「首相としてすべての政策に職を賭す覚悟で臨んでいるのは当然のことで、その中には普天間移設先の問題も当然含まれている」
四月二十三日の参院本会議。壇上の首相鳩山由紀夫は普天間基地移設問題の決着ができなければ自ら進退を決断する考えを表明した。歴代の首相で自らの進退に触れた首相がそのまま延命できた例は極めて稀だ。
鳩山の進退をめぐって分水嶺となったのが二十一日午後開かれた、三回目の鳩山と自民党総裁谷垣禎一の党首討論だった。谷垣は米紙ワシントンポストの記事を引用して「哀れで愚かな日本の総理」といきなり切り込んだ。
「私は愚かな総理かもしれませんが、もし『エイヤー』と辺野古に決めていればどんなに楽だったか……」
鳩山の、首相にあるまじき発言に委員会室の与党議員席は凍りついた。寂として声なし。民主党議員も言葉だけは口を衝いて出てくるものの、説得力の伴わない鳩山発言に呆然としていた。党首討論後に鳩山に声を掛けた議員はほとんどいなかった。
鳩山の表情は生気を失い、目もウツロ。鳩山側近でさえ「いろいろあって疲れて・・・