民主党「政治主導」の出鱈目
官僚を使いこなせない「素人大臣」
2010年5月号
民主党の「政治主導」のかけ声が轟いて七カ月余り。官僚もこの政権のふるまいに慣れ、順応し、大別して三つの流れができた。
一つは、政策立案への関与を取り戻し、政治家をうまく使う「積極的官僚主導」とでも言うべき現象だ。二つには、積極的な政策関与を半ば諦めつつ、取り返しのつかない事態を避けるため、本来なら全力をあげるべきところで手を抜くことで政策の方向をずらし、ダメージコントロールを図る「消極的官僚主導」だ。そして、この二類型に該当しない「独裁的政治主導」もまだ、残っている。
「建設的サボタージュ」の外務省
積極的官僚主導が顕著なのは経済産業省だ。
例えば、四月中旬に米ワシントンで開かれた「核セキュリティ・サミット」で鳩山由紀夫総理大臣が発した「ナショナル・ステートメント」。「唯一の被爆国であると同時に資源小国として発電の約三割を原子力で賄っており、核軍縮、核不拡散、原子力平和利用のいずれも重要だ」とうたい、核管理強化の貢献策として、茨城県東海村に「アジア核不拡散・核セキュリ・・・