成長市場インドを脅かす「テロ集団」
共産党毛派とイスラム過激派が連携
2010年5月号
四月六日、インド東部のチャティスガル州で、インド共産党毛沢東主義派(毛派)の武装集団が警官隊を襲撃し、少なくとも七十五人が死亡した。インドでは昨年一年間に、毛派によって一千人以上の死者が出ており、シン首相は「インド最大の脅威」と形容している。
毛派は、文字通り毛沢東の思想に影響をうけ、インドの農村を拠点に共産主義革命を起こそうとする勢力だ。経済発展著しいとされるインドだが、東部は貧困状態に置かれ、この格差が毛派の暴力を生みだす温床となっている。そして最近、この毛派とイスラム過激派の連携が顕在化してきている。
毛派が成立したのは、二〇〇四年。「インド共産党人民戦争(マルクス・レーニン主義)」と「インド毛沢東共産主義者センター」が母体だ。現在は「マルクス・レーニン・毛沢東主義」を標榜し、昨年六月にはテロ組織として活動が非合法化された。
その活動地域はジャルカンド、アンドラ・プラデシュ、ビハール、マハラシュトラ、西ベンガルと広範な州に及ぶ。最高意思決定機関である党政治局は十四人のメンバーで構成されるが、〇七年から現在までに六人が殺害されるか、逮捕さ・・・