旧ソ連諸国で米国が大ヘマ
総崩れとなった「色の革命」
2010年5月号
中央アジアの小国キルギスで四月、政変が起こり、二〇〇五年の「チューリップ革命」後に誕生したバキーエフ政権が倒れた。今年はすでに、ウクライナの「オレンジ革命」(〇四年)で生まれたユーシェンコ政権が退陣し、グルジアの「バラ革命」(〇三年)後のサアカシビリ政権は青息吐息だ。米国がブッシュ時代に「色の革命」で築いた旧ソ連地域の橋頭堡は、総崩れ状態になった。
政変直後の四月十四日、暫定政府の副首相となったアルマズベク・アタンバーエフが、モスクワにプーチン首相を訪ねた。新政権への支援を得るためだ。この後、プーチン首相は、イーゴリ・セチン副首相、アレクセイ・クドリン財務相らを集め、「キルギスは私たちの友人だ。国庫が空っぽだという。助けてあげたい」と言い渡した。
大ボスがここまで踏み込んだのだから、幕臣たちに是非もない。クドリン財務相は、「二千五百万ドルを無償援助できます」と太っ腹なところを見せた。石油産業を統括するセチン副首相は、「今は種まきの時期で、燃料がなくて農民は困っているでしょう。石油燃料をなるべく出します」と続けた。プーチン首相は目を細めて喜んだ。
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