「アフリカ権益」を失ったフランス
旧植民地で凋落の一途
2010年5月号
アフリカのサハラ砂漠以南に広がる旧フランス植民地の国々は今年、独立五十周年の節目を迎えた。フランス語圏でギニア(一九五八年独立)を除き、計十三カ国が第二次世界大戦でフランス軍に合流しナチス・ドイツと戦い、一九六〇年に主権を獲得した道程を振り返る。半世紀を過ぎようとしている現在、かつての宗主国フランスの退潮はアフリカで顕著になった。それを埋めるように新たな勢力の進出が際立っている。
仏語圏ルワンダが英連邦加盟
昨年十一月二十九日、象徴的な二つの出来事がルワンダ政府によって発表された。ルワンダは三年ぶりにフランスと国交回復した。一九九四年のルワンダ大虐殺の引き金になった同国のハビャリマナ大統領(当時)搭乗機撃墜事件で、フランス政府は大統領暗殺に関わった疑いでカガメ政権関係者を訴追し、政権側はフランスが虐殺を支援したと非難して国交断絶していた。
ルワンダはベルギーの旧植民地だったが、仏語圏に属した。その国でフランスにとっては同時に面子をつぶされる外交的変化があった。ルワンダはこの日、英・・・