オバマが「問題児」サマーズ排除へ
経済チーム「不協和音」の主
2010年5月号
オバマ政権の経済政策立案の中心人物であるローレンス・サマーズ国家経済会議議長の「追い落とし」の動きがでている。そして、この権力抗争は、就任以来続くオバマ政権の経済政策の混迷を映し出している。
米国の景気回復の歩調は思ったよりも鈍い。特にオバマ政権、民主党にとって最大の懸案事項である失業率が高止まりしている。昨年末の一〇%からは幾分持ち直してきたが、九%台半ばで推移している。この傾向は続くとされ、四月一日には、ティモシー・ガイトナー財務長官が「当面容認できない高水準にとどまる」と発言している。
起死回生の策と思われた医療保険制度改革法の成立にもかかわらず、オバマ大統領の支持率は低空飛行を続けている。こうした状況の中で最近は、大統領自身が「中間選挙で民主党は苦戦を強いられる」と弱音を漏らしているという。
もともと関係が良好とはいえないホワイトハウス経済チームだが、その不協和音が大きくなっている。特に一向に改善しない失業率を前に、サマーズ議長への不信感が高まり、「追い落とし」の対象となっているのだ。
誰とでも対立する問題児
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