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経済

哀れ誘う「みずほ」の自壊ぶり

抜きがたい「旧行意識」と対立抗争

2010年4月号

 ここまでくると、哀れというほかはない。メガバンクの一角、みずほフィナンシャルグループの自壊ぶりである。前田晃伸、齋藤宏の両氏が自らの院政確立のために行った粛清人事によって、もはや、内部はガタガタ。おまけに、ここにきて、金融庁への唯一のパイプ役だった小崎哲資・みずほフィナンシャルグループ副社長の解任劇も飛び出した。先行きは危ぶまれるばかりだ。
 それにしても、院政ぶりは目を覆うばかりだ。前田氏はことあるごとに「旧行意識はなくなった」と、旧富士銀、旧第一勧銀、旧興銀という設立母体三銀行の存在は消えたと強調するが、実態はまさにその逆にある。旧富士銀出身の前田氏、旧興銀出身の齋藤氏がそれぞれの旧行出身者の人事を握る。さらに旧第一勧銀ではみずほ銀行会長の杉山清次氏は傀儡にすぎず、実際には旧第一勧銀OBで日本土地建物会長の中島久彰氏が黒幕的に人事を掌握するという、変則トライアングル体制が敷かれている。

ガバナンスでなく「バカナンス」


 その下で、いまだに、みずほフィナンシャルグループ(FG)、み・・・