衰えないアルカーイダの脅威
第二の「9・11」はあるか
2010年4月号
三月中旬、米CIA(中央情報局)のパネッタ長官は米ワシントン・ポスト紙に対し、アルカーイダは弱体化しているとの考えを示した。パキスタン治安当局の協力と、無人機による偵察と爆撃が功を奏しており、ビンラディン容疑者と、同人を頂点とするアルカーイダ指導部は、追跡を逃れて北ワジリスタン(パキスタン北西部・部族地域)周辺の更なる奥地に逃げ込んだというのである。このため、彼らは米国とその同盟国に対する大規模な作戦を指揮することはもはや困難になった、という。
パネッタ長官はまた、アルカーイダの現場指揮者がビンラディンに対し、「隠れ家を捨てて彼らとともに現場で指導力を発揮してほしい」と懇願するほどに現場は混乱している、と盗聴記録まで紹介してアルカーイダの追い詰められた状況を強調した。
もちろん、このような諜報情報をCIAトップが口にするのは異例のことである。それはオバマ政権が、対テロ戦争の進捗状況を説明・弁護しなければならない必要性に直面していることを示唆している。共和党からの「弱腰批判」はかわさなければならない。
しかし、米政府高官が、「アルカーイダ恐るる・・・