二十一世紀の世界を決めるのは、中国のメガトレンドである。中でも米中関係の行方であろう。
　たとえば、あと十年もすれば、次のような光景をわれわれは見ることになるのではないか。
　中国の自動車会社が、一台五千ドルのメード・イン・チャイナの乗用車を米国のあらゆる都市のウォルマートのレジで米国民に売っている。毎週、金曜日になるとウォルマートの駐車場はその自動車の受け渡しで大混雑だ。
　こんなエピソードを交えつつ、例の『メガトレンド』モノのネイスビットが、いよいよ中国メガトレンドに挑戦した。
　中国が共産主義であるか、資本主義であるか、といった問題の立て方はそれほど意味はない。どの体制だろうが、結局のところパフォーマンスがカギである。その意味では、一九七八年の改革・開放路線以来の中国体制のパフォーマンスは世界でずば抜けている。その体制の秘密を解くことが、中国の将来を占う上で欠かせない。
　ネイスビットは、その秘密を八つに分け、さまざまなデータとエピソードをちりばめている。
　△頭脳開放△戦略トップダウン、実施ボトム・アップ△森を作るた・・・