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グアムに移転する在沖縄米海兵隊の家族住宅は一戸六千万円の「豪邸」
2010年3月号公開
沖縄からグアムへ移転する在沖縄米海兵隊のために日本政府が負担する家族住宅の建設費が、一戸あたり六千万円超に上ることが分かった。政府・与党の沖縄基地問題検討委員会は二月にグアムを視察し、地元から「二千五百万円もあれば豪邸が買える」との説明を受けたばかり。日本は米国にぼられているのか。
グアムへは海兵隊の八千人とその家族九千人が二〇一四年までに移転する。移転費用約一兆円のうち日本側は約六千億円を負担する。米政府が防衛省に示した家族住宅は庭付き3LDKの高級住宅。一軒七十万ドルという数字に「離島なので特例か」と問うと米側担当者は「標準的な米軍住宅だ」と回答したという。しかしよく聞くと、フィリピンから連れてくる建設労働者の渡航費や宿泊費まで含まれていた。建設作業中にグアムの人口は八万人も増えるが、その分の電力や水道などの整備も日本負担のようだ。
しかも日本政府が提供する資金はすべて米政府の特別会計に繰り入れられ、米政府が執行する。日本側企業の参入は困難で、結果として巨額のカネが米側に吸い取られる構図が確実になった。
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