「烏合の衆」と化すG7
中国に「ノー」というだけの存在に
2010年3月号
昨年十月三日、トルコ・イスタンブールにて開かれた先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)。当日は、イスタンブールという異国情緒に加え、G7直前の九月二十四、二十五両日に米国のピッツバーグで、中国、インド、ブラジルなどを含む二十カ国・地域(G20)の首脳会議が開かれ、「G7参加者には、すでに議論を尽くしたという達成感があった」(財務省随行者)という。リラックスムードが漂う中、欧州中央銀行のジャン=クロード・トリシェ総裁が唐突に「諸君は知らないかもしれないけれど、昔はG5もG6もあったんだ」と先輩風を吹かせた。「G6は初耳だ」と、ある国の参加者が応じると、トリシェ総裁は「そもそもインフォーマルだったG5(日、米、英、仏、独)にカナダとイタリアが加わることになり、その当初、原因は忘れたが、イタリアが怒って途中で帰ってしまったが、会議は六カ国でそのまま続けたんだ」とニヤニヤしながら答えたという。
「イタリアはいなくてもいい」と示唆する彼の発言が、その後のG7の見直し論に直結することになった。
イスタンブールでは「雑談」で終わったが、今年二月五、六両日、カナダの北・・・