《罪深きはこの官僚》寺崎 明(総務省総務審議官)
通信行政を歪めた元凶
2010年3月号
PHS会社のウィルコムが二月十八日、会社更生法の適用を申し立て負債総額二千六十億円で倒産した。今後はソフトバンクと企業再生支援機構が支援に乗り出すという。「PHSの生みの親」といわれる総務省の寺崎明・総務審議官はこのニュースをどんな思いで聞いただろう。
寺崎は、技術系官僚として初めて総務審議官のポストに上り詰めた技官の星。その一方でPHSだけでなく、世界から孤立したNTTドコモの携帯電話規格方式「PDC」を強力に推進したことから、「日本の携帯ガラパゴス化のA級戦犯」という不名誉な称号も持つ。
PHSはガラパゴスの最たる技術であろう。しかし自らが育てた技術のかわいさからか、二〇〇七年、二・五ギガヘルツの次世代高速無線免許割り当ての審査で寺崎はウィルコムを「財務的基礎が充実している」としてA評価をつけた。ドコモをも上回る評価で、結果免許はウィルコムとKDDI陣営に与えられたが、結果がこれだ。
責任追及を恐れる寺崎ら総務官僚は、昨年九月のウィルコム危機表面化直後から、返済期限の延長や公的資金の注入をさぐった。支援を名乗・・・
寺崎は、技術系官僚として初めて総務審議官のポストに上り詰めた技官の星。その一方でPHSだけでなく、世界から孤立したNTTドコモの携帯電話規格方式「PDC」を強力に推進したことから、「日本の携帯ガラパゴス化のA級戦犯」という不名誉な称号も持つ。
PHSはガラパゴスの最たる技術であろう。しかし自らが育てた技術のかわいさからか、二〇〇七年、二・五ギガヘルツの次世代高速無線免許割り当ての審査で寺崎はウィルコムを「財務的基礎が充実している」としてA評価をつけた。ドコモをも上回る評価で、結果免許はウィルコムとKDDI陣営に与えられたが、結果がこれだ。
責任追及を恐れる寺崎ら総務官僚は、昨年九月のウィルコム危機表面化直後から、返済期限の延長や公的資金の注入をさぐった。支援を名乗・・・