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「闇の武器市場」と化したマレーシア

親中政権と華僑ネットワークが結託か

2010年3月号

 かつては東南アジアをリードしたこともあるマレーシア。経済はある程度発展したものの伸び悩み、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも特に目立つわけではないこの国に、国際社会から疑惑の視線が送られている。小は銃から、大は核兵器関連機器まで、さまざまな武器の「闇市場」と化しているとの疑惑だ。
 穏やかな新年を迎えようとしていた昨年末、マレーシア空軍戦闘機のエンジンと部品が盗まれていたことを地元紙がすっぱ抜いた。盗難されたエンジンなどが、海外に売却されていたことも判明し、政府・軍・警察関係者には休日返上の多忙な正月となった。
 事件自体は二〇〇九年一月に発覚していた。前年、定期メンテナンスのため空軍スンガイ・ベシ基地に移送されたF-5E戦闘機のエンジン二基が、行方不明になっていることが判明した。直ちに空軍内部の調査機関が捜査を開始、民間企業の関与が濃厚となり警察に通報、内偵が進められていた。エンジン以外にも戦闘機の部品や整備記録の不明もわかり、海外でのテロに利用される可能性も否定できないとして、非公式に米政府にも通知していた。
 これまでの捜査で、空軍兵士・・・