「対イラン開戦」の条件整う
イスラエルの急襲はあるか
2010年3月号
「中東は十年毎に火を噴く」と言われて久しい。
イラクのクウェート侵攻(一九九〇年)に端を発した湾岸戦争から数えて、イラク戦争は第二次湾岸戦争と呼ばれた。また、イラン・イラク戦争(一九八〇年開戦)を第一次湾岸戦争と数える説に従うと、次回ペルシャ湾で戦争が起きれば、第四次となる。世界のエネルギー庫である中東をめぐって、熱い戦争がまた勃発するのではないか。そんな気配が漂い始めた。
「開戦」を誰もが望む
戦争にそもそも正当な理由などないが、なぜ今また戦争を起こさなければならないのかと言えば、イランの神権政治が、核兵器の製造に必要なウランの濃縮に突き進んでいるからである。アフマディネジャド大統領は革命三十一周年を祝う式典で「原爆は作らないと言っているのだから、欧米はこの言葉を信じればよい」とうそぶいたが、危機回避のため努力している国際原子力機関(IAEA)や欧米主要国の神経を逆撫でしたこの発言の代償は高くつくだろう。「大量破壊兵器」の保有を装ったため絞首台の露と消えたサダム・フセインと同じ運・・・