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早くも「レームダック化」のオバマ

「一期だけの大統領」で終わりそう

2010年3月号

「地に墜ちた男」という刺激的なタイトルのコラムは、一月末、政治問題を専門的に扱うウェブサイト「リアル・クリア・ポリティクス」に掲載された。寄稿者はワシントンポスト紙のコラムニスト、ルース・マーカス氏。その中で氏は、米国民はオバマ大統領が選挙で公約した「チェンジ」を実現できるのか不安を抱き始めていると断じる。さらに、「オバマは失った興奮と機会を取り戻すことができるのだろうか」と問い、「できるかもしれないが、それはもはや興奮に満ちたものではないだろう」と、辛辣な分析を加えている。
 一月二十五日、大統領はABCニュースの質問に対し「私は二期を務める凡庸な大統領よりも、一期限りでも本当に優れた大統領になりたい」と語った。もちろん、目の前の課題に全力で取り組むという意思表示だ。しかし、その言葉が現実のものになりかねないという観測がワシントンで急速に浮上している。

民主党内でも「オバマ離れ」


 最優先政策の医療保険制度改革に対する国民の不満は大きい。さらに景気刺激策は奏功せず、失業率が依然高水準・・・