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連載

西風 345

関西広域連合の船出
八木 亜夫

2010年2月号

 

 かねて懸案だった関西府県による広域行政組織「関西広域連合」に向けて、やっと具体的な動きが見え始めた。一月八日に大阪で開かれた設立準備部会で、大阪・京都・兵庫・滋賀・和歌山・徳島・鳥取の二府五県が、設立案に基本合意。三重・福井の二県はオブザーバー参加となった。
 基本案では、参加府県は年内に規約案と予算案へのそれぞれの議会承認を求める。広域連合の連合長は、知事間の互選で決める。連合の議会は、府県会議員二十人で構成する。さし当たって連合が手がける仕事は、防災・観光文化振興・産業振興・医療連携・環境保全・資格試験と免許等・職員研修の七分野。三年をめどに担当事務を拡充、国の出先機関の廃止による事務移譲を、一元的に受ける。
 関西広域連合構想は、遠く松下幸之助氏の「道州制」提言に始まり、一貫して関西財界がリードしてきた。今回も秋山喜久関西経済連合会・前会長のキモいり。いろいろな案が出ては消えるを繰り返すうち、今回の政権交代で「地域主権」の話がにわかに熱を帯び、うまく運べば国の出先機関の大幅廃止、地方への権限移譲が現実的になってきた・・・