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社会・文化

ようやく弾けた「水谷建設」ルート

特捜が追う「小沢とカネ」の原点

2010年2月号

 一月初旬のこと。東京地検の取調室で特捜部の事情聴取を受けていたゼネコン幹部が、たまりかねたように言い出したという。
「何度聞かれても一緒。あの時の蒸し返しじゃないですか」
 追及されたのは、民主党の小沢一郎幹事長の事務所が、岩手・胆沢ダムの工事受注をめぐり、「天の声」を出したとされる一件。この幹部は聴取後、周囲にこうつぶやいている。
「三年前の水谷建設事件の焼き直しじゃないか」
 民主党政権を揺るがせている小沢一郎幹事長の秘書グループによる政治資金規正法違反事件。資金管理団体「陸山会」が東京・世田谷区内の土地を購入した際にかかった四億円の出し入れ時期をずらしたという?形式犯?だが、その原資が取り沙汰されていることをみると、検察は「ゼネコン裏献金事件」のつもりなのだろう。
 一月二十三日には小沢氏本人が都内のホテルで四時間半にわたって事情聴取を受けるなど、検察の攻勢が伝えられている。「担当検事は調べに入る前、小沢氏に黙秘権を告げ、被疑者として取り調べている。政権与党の幹事長を相手に、検察は一歩も引かないつもりだ」(司法担当記者)。・・・