ソニーの窮状映す「3Dバブル」
長いリストラで技術も枯れた
2010年2月号
テレビでは韓国サムスン電子、ゲーム機ではマイクロソフト、携帯音楽プレーヤーではアップルなど、主力製品分野のトップの座をことごとく海外の競合他社に奪われ、連続赤字に苦しむソニー。そのソニー再建を進めるハワード・ストリンガー会長兼社長(CEO)は今、自信たっぷりにメディアへのインタビューに応じている。その理由は、昨春の社長兼務後に練り上げた経営計画を十一月に明らかにするなど、二〇一〇年度反攻の社内体制が整ったからだ。
どの取材でも、ストリンガー会長が語る内容の柱は「3D」技術。二〇一〇年度中に、薄型テレビ、放送機材、ゲーム機などのハードウエアから、映画コンテンツ、ゲームソフトなどを一挙に3D対応とすることでソニーの独自性をアピール。すっかり落ち込んでしまった存在感とブランド力を一気に回復しようというのが、ストリンガー会長の描く、リバイバル・プランである。
発売前からコピー品が出回る
現在、3D関連の売り上げは米国における映画館用の映写機と一部のプロ用撮影機材に過ぎないが、二〇一二年度・・・