大外れした「百年に一度」の危機説
「米経済の二番底」はなさそう
2010年2月号
「今年の米国の成長率は大方の予想を超え五%。米連邦準備制度理事会(FRB)はゼロ金利政策を解除し、フェデラル・ファンド(FF)金利は年末までに二%。失業率は年末に九%を切り八%台へ」
これはマーケット・ストラテジストでブラックストーン副会長のバイロン・ウィーン氏が年一回発表する「10サプライズ」の二〇一〇年予測だ。
この人は〇八年一月の段階でメチャクチャ弱気の予想を、〇九年一月には同年後半の株価回復、金一オンス当たり一千二百ドル、原油一バレル当たり八十ドルという予想を、あの弱気が充満していた最中に発表し、見事的中させた。市場がその可能性は少ないと見ている事柄で、ウィーン氏が七〇%以上発生すると見る事態を「サプライズ」と呼んで、十の予測を一九八〇年代から発表している。その的中率は高い。日本では「円安・ドル高で、対ドル百円を超え、日本株が先進国の中で最も上昇、日経平均株価は一万二千円を超える」というところが注目された。
しかし、肝心要のウィーン氏の最も大切な主張は、昨年から変わっていない。サブプライム問題は〇九年末には終わり、そしてまた、「米国は消・・・