「小沢なき後」の民主党勢力地図
党内「液状化」は避けられず
2010年2月号
「小沢帝国」崩壊の序曲が、民主党内でひそやかに奏でられ始めた。
開演のベルが鳴ったのは、東京地検特捜部が小沢一郎幹事長にホテルニューオータニで四時間半にわたって事情聴取を行った一月二十三日だった。
事前には、石川知裕衆院議員らの政治資金規正法違反立証のため「任意の参考人招致」と大半のメディアが報道していたが、フタを開けてみれば、被疑者としての事情聴取だった。刑事訴訟法は、捜査当局が被疑者として事情聴取する場合、黙秘権を告知しなければならないと規定している。小沢幹事長は特捜部から黙秘権があることを告げられてから聴取を受けたのだ。
聴取後、記者会見した小沢氏は「与えられた職責(幹事長)を全うしていきたい」と強気を装ったが、一週間前の党大会で「検察と戦う」と宣言した勢いは陰を潜めていた。
敏感に反応したのが小沢幹事長と距離を置く仙谷由人行政刷新・国家戦略担当相だ。小沢聴取が終わった直後、記者団に「新たな展開だ」と即座に語った。
「日本最強の地検特捜部が小沢を被疑者扱いで取り調べを行った以上、無罪放免ということはない。検察は、最低・・・